A.シャルルV世が自身と同じ称号のVからIを引くのを縁起が悪いと言い改めたため(諸説あり)
意外と知らない時計知識、連載第2回目。今回はローマ数字インデックスの4の表記について取り上げていく。
アラビア数字の4をローマ数字で表す場合は、“IV”が一般的に用いられる。だが時計の時表示においてはその常識は通用しない。なぜならローマ数字インデックスを用いた多くの時計では“IV”ではなく、Iが4本並んだ“IIII”が採用されているからだ。
これには諸説があるが、最も有名なのが、14世紀後半にフランスのシャルルV世が建設中の宮廷の塔時計に採用されていたIVを見て変えさせたという説。理由は自身の称号であるVからIを引くのが縁起が悪いとし、IIIIに直すよう命じたことにはじまると言われている。
ほかにも、IIIIとすることで左右対称位置にあるVIII(8時位置)に対してデザイン的なバランスが良く、しかもわかりやすいことから採用されたという説もある。いづれにせよ件のシャルルV世のエピソードがきっかけだったかはさておき、結果的に視認性を高めるデザインに大きくつながったことは確かだ。
デザイン性にも優れているほか、IIIIの方が瞬時に時刻を確認できる
みなさんも、ローマ数字インデックスを用いた時計をお持ちであれば1度確認してみては。
文◎松本由紀(編集部)
参考文献:織田一朗『知ってトクする 時と時計の最新常識100』(ホーム社、2000年)P178〜P180
【意外と知らない時計知識】
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