みなさんは“Chrono24(クロノツインティーフォー)”というWEBサイトをご存じだろうか。ドイツに本拠を構える高級腕時計のマーケットプレイスである。何と年間取引総額が2億ユーロという世界最大規模を誇る。
実のところ筆者もかなり前から名前こそ知っていたものの、恥ずかしながら単なるポータルサイトだとずっと思っていた。最近になって手持ちの時計の写真を撮るだけで瞬時に実勢相場が表示される「ウォッチスキャナー」というサービスの存在を知り、あらためてWEBサイトを見て、高級時計を専門とする越境EC、つまり様々な国の出店社から高級腕時計が買えるショッピングサイトに変わっていたことを知ったのである。
GMTマスターで検索して表示された画面。日本のショップも100社ほど参加していると聞いて驚いた
そこでどんなサイトなのかを去る9月に実はChrono24に直接聞いてみたのだが、これについてはWatch LIFE NEWSの11月14日公開の記事『【Chrono24は信頼できるのか?】総編集長・菊地吉正が世界最大の高級時計マーケットプレイスのCEOティム氏に直接聞いた!』で詳しく書かせていただいている。気になる人はそちらもぜひ参照してほしい。
そして、今回は冒頭でも触れたがこのChrono24が提供しているサービスのひとつ「ウォッチスキャナー」について書きたいと思う。これはChrono24のアプリで提供しているサービスで、日本では2012年からとかなり前から提供されていたらしい。全世界で550万、日本でも9月の時点で4万弱ダウンロードされているという。
名刺スキャンのように時計の写真を撮るだけでOK
650万枚という膨大な量の時計の写真をAIに登録し認知システムを構築、現時点では約1万8000本のモデルに対応しているというものだ。日本でも何と毎月3万回ほどスキャナーが使われているというから驚きである。
そこで、百聞は一見にしかずということで早速筆者もアプリをダウンロードしてウォッチスキャナーを試してみたわけである。今回は直球的なところでロレックスがアンティークのエクスプローラー I (1016)とサブマリーナー(5513)、パネライがほとんど使っていない15年前のルミノールマリーナ、そしてちょっと変化球としてモリッツ・グロスマンの現行モデルで試みた。
やり方はいたって簡単。アプリを起動させ名刺スキャンのように時計の写真を撮るだけ。瞬時に対象モデルのサンプル画像と型番などのデータが表示され、そのデータが正しければ「はい」ボタンを押すと、市場価値(金額)が表示されるというものだ。なお、たとえ検出された内容が違ったとしても、「いいえ」ボタンを押すと、時計のデータを手入力することができるようになっており、それによって正しい内容に修正表示することも可能だ。
筆者自身の時計を使ってウォッチスキャナーを実際に試してみた。その結果がこの写真
結果はロレックスとパネライについては、一発で正確にレファレンスまで表示され、市場価値まで日本円で明示されたが、さすがにモリッツ・グロスマンは市場価値までは出てこなかった。ただ、ニッチなブランドでもブランド名とモデル名は一発目で特定されただけでも驚きである。
ということで、気になる人はChrono24で検索を。