【手作業の仕上げで350時間以上】スイス発の高級時計ブランド、”ローマン・ゴティエ”の新作に注目

 スイス・ジュウ渓谷にブランドを構える高級時計ブランド、“ROMAIN GAUTHIER(ローマン・ゴティエ)”。年間生産本数はおよそ60本のみで、そのすべてが、ムーヴメントを含め創立者であるローマン・ゴティエ氏により設計され、彼の指揮の下自社工房にて仕上げまで行われる。

 2005年創業と新鋭ながらも、2013年にはジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)の“ベストメンズコンプリケーション賞”を受賞するなど、目覚ましい活躍をしている。

 同ブランドは今年で創立15周年を迎え、ブランドの節目となる2020年の新作として“インサイトマイクロローター・スケルトン”を発表した。

 技術的観点と美的観点から、すべてのムーヴメントがスケルトン化できるわけではない。ゴティエ氏は次のように述べている。
「“プレスティージHM”や“HMS”をスケルトン化すると、大きなスペースが空いてしまうため肌が見えすぎてしまいます。逆に“ロジカルワン”はスケルトン化できる部分がほとんどありません。その点、インサイトマイクロローターはスケルトン化に適していると言えます」

 ベースとなったインサイトマイクロローターコレクションは、自動巻きの3針ウオッチだ。新作は搭載されている自社製キャリバーをスケルトナイズし、高級時計の伝統を重んじた最新鋭のスケルトンウオッチを目指して製作された。
「受け(ブリッジ)の形、テンプやマイクロローターの位置、香箱と歯車のレイアウトから、このムーヴメントをスケルトン化することに新たな可能性を感じました、隠れていたディテールが見えることでさらなる感動をもたらすことができるのではないかと」

 創業以来高い評価を受けているのは、ズバリ手作業による仕上げ。その代表的なものが“面取り”だ。面取りは角を切り落とし、面を整え磨きあげる、スイス時計産業の伝統的な部品の装飾技法のひとつ。

 面取りは次のような工程に分かれる。1、スチールのやすりで丸みを帯びた面取りを行う。2、アルミナで面を整える。3、エメリーペーパーを用いて仕上げる。4、ジャンシャン(ジュウ渓谷に自生するリンドウの一種)の茎からできた棒とダイアモンドペーストを使用して磨く。

 受け(ブリッジ)と地板には、スケルトン化に必要な強度と軽さを確保するためにグレード5チタンを採用。そのため、スケルトン化には、高いスキルをもつ面取りのチームをもってしても、初めての取り組みばかりであったという。

 チタンは、加工はもちろん手作業の仕上げも困難を極める。面取りのスペシャリストの技術をもってしても、新作のチタン製の地板と8個の受け(ブリッジ)のすべてを面取りするのに、250時間以上もかかるのだ。

 そのほかにも手作業、もしくは手で動かす機械を用いるムーヴメントの装飾にはさらに時間を要する。ハンドフロスティング、サーキュラーグレイン(円形装飾)、スネイル仕上げなどの装飾を施すには、さらに100時間以上を費やす。

 シースルーバックからは、これらの念入りな手作業が施されたムーヴメントをより良く鑑賞することができる。

 ここでもまた、マイクロローターが主役となり、この装置の両方向回転を可能にする逆転歯車から始まる輪列の動きにトルクを伝達。美しく装飾された主ゼンマイと歯車はスケルトン化に伴い、より見えるようになった。受け(ブリッジ)が描く曲線は、それらに取り付けられた直線状のプレートと完璧なバランスを見せている。

 また、新作はケース、文字盤、ムーヴメント、ベルト、バックルを自分好みにカスタマイズできるカスタムオーダーモデルである。これは、中世の西洋貴族文化における“顧客と時計師”のような関係を築き顧客のオーダーに応えるという、ブランドとしての取り組みの一環なのだ。

 

ROMAIN GAUTHIER(ローマン・ゴティエ)
インサイトマイクロローター・スケルトン

■39.5mm径。5気圧防水。自動巻き(Cal.Insight Micro-Rotor Squelette)

■写真のカスタム内容/ケース…K18RG製、文字盤…グラン・フー・エナメル、針…K18RG製、インデックス…ゴールドカラーのローマ数字、ムーヴメント…スケルトン化された受け(ブリッジ)と地板・マット仕上げの面取り面、ベルト…ナチュラルラバーベルト、バックル…K18RGピンバックル。1507万円

 

【問い合わせ先】
スイスプライムブランズ
TEL.03-4360-8669
https://www.romaingauthier.com/

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