旧ソ連時代に同国の軍用時計製造を担った、国営のモスクワ第一時計工場を前身とするシュトゥルマンスキーは、飛行士ガガーリンが世界初の有人宇宙飛行(1961年)に成功した際に着用していたことで一躍有名になったブランドだ。
その高い技術力を継承し、現在では過去に手がけた軍用時計をベースにしたモデルを数多く展開している。
1961年4月12日、世界初の有人宇宙飛行に成功したソ連の宇宙飛行士、ユーリィ・ガガーリンが着用していたのがシュトゥルマンスキーの腕時計だ
このオケアン(海を意味するロシア語)もそんなヘリテージモデルのひとつ。70年代にソ連の海軍士官用腕時計として製造されたモデルの復刻版である。
Ref.3133-1981599。SS(40mm径)。5気圧防水。手巻き(Cal.P3133)。世界限定200本(専用ボックス付きモデルはこのうちの100本限定)。15万9500円(写真◎笠井 修)
当時の時代背景を象徴するような、個性際立つ秀逸な文字盤デザインも本作の魅力だが、見逃せないのはやはり搭載するムーヴメントであろう。
なんと、当時と同じ機械、ソ連製クロノグラフムーヴメントのキャリバーP3133を搭載しているのだ。
Cal.P3133は1974年に開発に着手。76年から製造が開始された。毎時2万1600振動、約50時間のパワーリザーブを備えた、同国を代表する手巻きクロノグラフムーヴメントだ。ソ連崩壊後、製造は終了していたが、2019年にこのP3133の完成品が発見され、ロシアの時計師たちの手によって現代によみがえった
本作は、むしろこのオールドムーヴメント(すでに製造が終了しているムーヴメントのこと)が偶然発見されたからこそ、製品化が実現したリミテッドモデルなのである。
デザイン復刻は多くあるが、ムーヴメントまで当時と同じというものはまずなく、機械好きにはたまらない1本と言えよう。
【着けてみました!】ケース径は40mmと程よいサイズだが、リューズを9時方向(インナーリング操作用)にも備え、存在感がある。またファッション界でも昨今注目される70年代テイストずばりのデザインで、コーディネイトのアクセントとしても活躍してくれるだろう。(写真◎笠井 修)
空軍仕様も同時展開!
オケアンと同じくCal.P3133を搭載した空軍仕様。光の反射を抑えるためにグレーカラー文字盤を採用しており、6時位置には空軍のロゴがプリントされる。
■Ref.3133-1981260。SS(40mm径)。5気圧防水。手巻き(Cal.P3133)。世界限定300本(専用ボックス付きモデルはこのうちの100本限定)。15万9500円
文◎堀内大輔(編集部)
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