1965〜76年まで約4万個以上の時計をイギリス軍に提供していたハミルトン。その精度や視認性により、1世紀にわたり世界中の多くのパイロットたちから愛されてきた。
なかでも“W10”は、その歴史を語るうえで欠かせない名作として知られている。そんなW10が今回、待望の復刻を果たした。
W10は、1973〜76年にイギリス王立空軍に支給されていた実績を持つモデル。手巻きのムーヴメントCal.649を搭載し、文字盤にはイギリス空軍に支給されたすべての軍用品に記されていたブロードアローマークが刻印されていた。
空軍時計は海軍や陸軍に比べ、ハイスペック仕様のものが多かった。イギリス空軍に関しては航空省および国防省が軍用のスペックを定め、その仕様に基づいて製造された時計のみが採用されていたという歴史がある。
復刻モデル“カーキ パイロット パイオニア メカ”は、クッションケースのデザインをはじめ、アナログカメラや双眼鏡にインスピレーションを得たブラック文字盤や、焼けたラジウムの色を再現したオールドラジウムラーのアワーインデックスなど、歴史に残る名作W10のデザインをほぼ忠実に再現しているのが特徴。
オリジナルのデザインを踏襲しながらも、最新の機能を搭載している点にも注目してほしい。
ムーヴメントには手巻きの最新キャリバー“H-50”を搭載。“カーキ フィールド”コレクションに採用されているムーヴメントと同様、80時間のパワーリザーブを実現した高性能な機械だ。
また、マットな文字盤と反射防止加工が施されたボックス型のミネラルクリスタル風防が、高い視認性を実現している。
オーセンティックな手巻きモデルに加え、スポーティなクロノクォーツモデルもラインナップ。航空計時の世界で1世紀にわたってハミルトンが培ってきた時計製造の高い技術が遺憾なく発揮された。
ケース径は当時(35.5mm)よりも小振りな33mmを採用。アンティークの雰囲気を楽しみながらも、約80時間ものパワーリザーブを誇る最新技術が盛り込まれている。軍用時計好きはもちろんだが、スペックは最新鋭のものとなっているので、これまでW10に憧れを持ちながら、アンティークウオッチの扱い方に自信が持てず躊躇してきた人にもオススメできそうだ。

Ref.H76419931
10万5600円(予価)。グレーテキスタイルNATOストラップ。

Ref.H76419531
11万2200円(予価)。ブラウンレザーNATOストラップ。
共通仕様
ステンレススチールケース(33×36mmサイズ)。手巻き(Cal.H-50)。10気圧防水。2019年10月発売予定
【お問い合わせ】
ハミルトン 公式サイト
https://www.hamiltonwatch.com/ja-jp
文◎佐波優紀(編集部)