今年はバウハウス100周年という節目の年だ。これを記念し、ドイツメーカー各社からはアニバーサリーモデルが次々と発表されている。
“バウハウス最後の巨匠”と称されたマックス・ビルがデザインを手がけた腕時計コレクションを展開するユンハンスもそのひとつ。そして10月には新たな100周年記念モデルも発売されることが発表された。
クロノグラフモデルをベースとした100周年記念モデル
2019年3月に行われたバーゼルワールド2019でも様々なバウハウス100周年記念モデルを発表したユンハンス。
そのひとつが、バウハウスで学んだデザイナーのマックス・ビルがデザインを手がけた腕時計をオリジンとするコレクション、“マックス・ビル バイ ユンハンス”をベースにしたアニバーサリーモデルだ。最大の特徴は、バウハウスの象徴的な建物からインスピレーションを得たアンスラサイトカラーのケースやレッドカラーのアクセントなど、“らしからぬ”カラーリングを採用した点。
しかし、この“らしからぬ”配色が逆にファンの心を鷲掴みし、限定1000本に対して1500本以上のオーダーが入るほど大好評であったという。
筆者自身も実物を見せていただいたが、控え目な色味で、いっそうシックな雰囲気が増し、知的な印象を感じさせる仕上がりであった。
【ユンハンス・話題の新作を見てきた!】
5月に発売されたバウハウス創設100周年記念“マックス・ビル バイ ユンハンス オートマティックLtd1000”
このマックス・ビルのバウハウス100周年記念モデルに待望となる第2弾が発売されることが発表された。
ベースとなっているのは、クロノグラフモデルとして展開されるマックス・ビル クロノスコープ。第1弾同様にアンスラサイトカラーのケースに、時分針とカレンダー表示に赤の差し色を加えた特別仕様のカラーリングだ。
シースルー仕様の裏ブタにはバウハウスの建物をプリント刻印。窓越しから内部のムーヴメントが見えるという心憎い仕様である
今作も世界1000本限定での展開。日本への入荷は10月を予定しているのでぜひお見逃しなく。
【マックス・ビルとは】
デザイナーのマックス・ビル。現在、ユンハンスが展開するマックス・ビルコレクションのオリジナルデザインを手がけた人物だ。©︎VG Bild-Kunst, Bonn
スイスのウィンタートゥールで生まれ。1927年に絶頂期にあったデッサウ時代のバウハウスに入学し、そこで2年間、創設者のヴァルター・グロピウスほか、当時最高峰のデザイン教授たちに師事し、デザインを学んだ。29年にチューリッヒへと移り、建築家、画家、グラフィックアーティスト、彫刻家、広告デザイナー、プロダクトデザイナーとして多分野で活動しはじめる。代表作にコンクリート・アートの“一つのテーマに対する15のバリエーション”(1935〜38年)がある。
その後、数々の功績が認められ、ウルム造形大学の初代学長に就任(55年)。ナチスの台頭により33年に閉校を余儀なくされたバウハウスのデザイン教育を継承するべく尽力した。また学長時代、産学協同のデザイン・プロジェクトにも積極的に取り組んでおり、そのなかでユンハンスのウォールクロックを、さらに61年にはこれをベースに腕時計のデザインを手がけた。これら数々の功績から、今日“バウハウス最後の巨匠”と称されている。
文◎堀内大輔(編集部)
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