ファッションの場合は、秋冬、春夏といったシーズンごとにその年のトレンドが打ち出されるが、高級時計の場合は機能やデザインという観点からそれを見いだすのはなかなか難しい。しかし“色”に着目すると意外にもその年のトレンドは明確だったりする。
筆者の記憶だと2010年頃からブラックがトレンドになり、ケースやブレスレットまでオールブラックというデザインが流行した。
次に出てきたのがブルー。主に文字盤のカラーとして採用されているが、2〜3年ほど前から増え、いまやコレクションのカラーバリエーションとして定番化していると言っていい。
そして今年、各社の新作を見渡すと特に目につくのが“グリーン”。高級腕時計の2019年は、明らかにグリーンがトレンドカラーと言っていいだろう。
そして今回、パネライからもSIHHで未発表だったグリーンを文字盤に採用した4機種が新たに発表されたので紹介したい。
ベースとなったモデルはラジオミール。美しいクッションケースで歴史を感じさせるクラシカルな作りが人気のコレクションである。
しかも、採用されたグリーンが、これまた“渋い”。艶を抑えた深みのあるグリーンは、ラジオミールの古典的な雰囲気と絶妙に調和し、落ち着いていて大人っぽく、とてもいい感じの色合いに仕上がっている。
このラジオミール グリーンダイアルは、4種類が展開される。販売はすべてブティックのみとのこと。
ラジオミール-45MM
パネライの自動巻きムーヴメントのなかで最も薄いP.4000 が搭載されており、ケース厚も12.2mmと着けやすい。2 針と9時位置のスモールセコンドという往年のデザインが楽しめる。Ref.PAM00995。SS(45mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.P.4000、パワーリザーブ約72時間)。123万円(税別)
ラジオミールGMT-45MM
時差のある二つの国の時間帯を表示できるGMT機能を搭載。9時位置のスモールセコンドには24 時間表示機能も装備する。パワーリザーブインジケーターをケースバックに装備しているのも特徴だ。Ref.PAM00998。SS(45mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.P.4001、パワーリザーブ約72時間)。132万円(税別)
ラジオミールGMTパワーリザーブ-45MM
上で紹介したラジオミールGMT-45MMと基本機能は同じ。ただ、ゼンマイの巻上げ残量を示すパワーリザーブインジケーターが、ケースバックではなく5時位置にセットされているため常に確認できる点が違う。Ref.PAM00999。SS(45mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.P.4002、パワーリザーブ約72時間)。135万円(税別)
ラジオミール-48MM
4種類のグリーンダイアルで唯一の手巻きモデル。しかも48mmの大振りなケースには、サンドブラスト加工によって仕上げられたブラックセラミック素材が使用されており、独特な存在感を放つ。Ref.PAM00997。CE(48mm径)。100m防水。手巻き(Cal.P.3000、パワーリザーブ約72時間)。146万円(税別)
文◎菊地吉正(編集部)/オフィチーネ パネライ TEL.0120-18-7110